コロナウイルス対策において
IT関連で諸外国との大きな差が露呈されてきましたね。
例えば10万円の給付金配布の件とか。
システムを作ったはいいものの使えるものではなく、
紙での申請の方が結果として早く現金が給付されるという。。。
少なからず日本でITを仕事にしている私としても何とかしたいという思いが
あるので今回はこの原因について、私なりにまとめたいと思います。
諸外国とのIT分野での差
コロナ関連での台湾の対応との差を例にして見てみましょう。
日本の事例:10万円の給付金申請システム
ニュースでも話題になってましたね。
当記事の冒頭でも少し触れましたが、
国民に10万円を給付するための申請システムを政府は構築しました。
システムは出来上がり、2020年4月頃から従来の紙での申請と新システムでの申請の二口で給付金申請の受付が始まりました。
しかし、蓋を開けてみると新システムでの申請は
システムで申請受付を完結できておらず、担当者がパソコンと紙を見比べて
申請内容のチェック等を行なっていました。
当然全国民からの申請に対して、チェックが間に合わず、
給付金配布の遅延が発生。。。
噂では新システムで申請するよりも紙で申請した方が配布が早いと流れるほど。
こちらの記事でも紹介しましたが、その他にも色々とひどい有様です。
テスト不十分なままシステムがリリースされる理由。エンジニアが解説
台湾の事例:マスク供給システム
あまり日本では知られていないと思うので詳しめにいきます。
世界的にコロナウイルスが流行して、日本はマスクの買い占めが発生して
店頭でほとんど手に入らない時期がありましたよね。
連日のようにマスク関連のニュースがテレビでも放映されてました。
これ、台湾では起きていないんです。
理由はマスク供給システムのおかげ。
このシステムはコロナが流行する前からあったのではなく
台湾政府がコロナ流行によるマスク不足を懸念して開発したものなんです。
開発期間はわずか3日。
私の推測ですがこのシステムはある人が何枚マスクを保持しているかをデータとして持っていたり、どの店舗にマスクが何枚ある、入荷すると言ったデータも保持する必要があるので、個人情報保護や店舗、流通業者ともデータを連携させなければならず、難度が高いものだと思います。
日本の政府がマネしようとしたらうまくいっても半年以上はかかると思います。
台湾でこのシステムを作るにあたり、
先導したのがオードリー・タン(唐鳳)デジタル担当相という方です。
タンさんは2016年に台湾史上最年少となる35歳で入閣。
元々タンさんは天才プログラマーと言われるほどのプログラムスキルを武器に、15歳で起業。そして、33歳で現場から引退したそうです。
そんなバリバリITに強い人が政府の大臣やっているなんて日本ではまずないですね・・・
日本がITが時代遅れな理由
私は開発を依頼する側(発注者)と開発側(SI企業)の両方に
問題があると考えます。
発注者側の問題
これは古い日本の文化というか、そういうとこに問題があると思います。
問題点は2つ。
- 発注者側にSI企業の成果物を評価するスキルがない
- 発注者側の発注権限者の古い体質
1.発注者側にSI企業の成果物を評価するスキルがない
特に日本政府に色濃くその特徴が出ています。
IT大臣がパソコン全く使わないとかニュースでも見ますよね。
ITの知見、スキルがないからSI企業にシステムを作ってもらっても
それがいいものなのかわからない。という事象です。
本来ここで正しい評価がされることでSI企業側のサービスが洗練され
実力がないSI企業は淘汰されていくんですが
日本のIT業界はこの流れが機能していません。
なので、IT業界も進歩していかないという負のサイクルに陥っています。
2.発注者側の発注権限者の古い体質
よくシステム開発を発注する際は複数の会社に見積もりとってベストな提案をした会社を選ぶと見ますが、実際はその割合は少ないです。
発注権限者がこれまでの実績と付き合いからどのSI企業でいくみたいなことを決めているのがほとんど。
なので、SI企業側も何とかその顧客を逃さないようにと付き合いを頑張るみたいな。
発注者は本来これからどんなサービスを提供してくれるかでSI企業を選定すべきですが日本の古い文化により、歪められていると感じます。
SI企業側の問題
- 付き合いによる受注にあぐらをかく
- 発注者のいいなり
どちらも発注者側の問題2と密接に絡んでいます。
「旧日本的な文化」による受注で仕事は取れる為、
そこにあぐらをかいてサービスの改善や、最新技術の取り込みが諸外国のIT企業に遅れを取っています。
また、発注者のご機嫌取りな側面もある為、本当はもっといい提案ができるのに「発注者がこう言ったから」と思考停止していることも多々あります。
端的に言うとSI企業からしたら夜の付き合いをしていれば
仕事が来るんですから、努力もしなくなりますよね。
まとめ:日本のITが時代遅れなのはなぜ?
日本のITが時代遅れなのはなぜかを解説してきました。
かなり根深い問題なので改善にはトップダウンでの対策が必須だと思います。
次の首相に期待しますが、難しいでしょうね。
では、また次の記事で会いましょう。
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